邪馬台国=朝鮮半島はあり得ない
前回の山形 明郷氏「卑弥呼の正体」のレビューの続きから
魏志倭人伝の冒頭の
「倭人在帶方東南大海之中」
(倭人は帯方東南、大海の中に在り)
これはまず一つの問題だ。
これを著者はどう解釈したか。
「黄海を前面に控え、南北に伸展している朝鮮半島そのものを総称したことになる。」
意味がわからん。
「中」じゃないからね。
著者は、「中」に「うち」と読み仮名を入れていたが
うちでもない。
中国人が朝鮮半島を表現するときに
黄海から見てそれに伸びているというような表現をするだろうか。
するはずがない。
そもそも、朝鮮半島を黄海から表現のしようがないよ。
それに黄海は大海じゃない。
日本海や東シナ海の方が大分大きい。
だいたい、黄海は中国の沿岸沿いにある海なんだから
何か名前があるんじゃないの。
わざわざ、大海というような言い方をするんだろうか。
(詳しくないからわかんないけど)
私は、この時点で読む気がなくなった。
と同時に、この本の大半を占める
古代朝鮮の位置についても読まなくて良かったと思った。
だって、こんな解釈をされてもね〜。
しかし、その後の魏志倭人伝のところだけでも
どう解釈するかを読んでみようと思った。
し
か
し
・
・
・
終わり・・・・
え〜っと、これ邪馬台国の本ですよね・・・
魏志倭人伝は、これだけで終わりですか・・・
魏志倭人伝をほとんど無視して邪馬台国を語っても意味ないよ。
言ってしまえば、魏志倭人伝を読めば
この方の説は無理なところだらけ。
だから、触れなかったんでしょうけど、
なら、ダメでしょう。
邪馬台国が朝鮮半島とするには、
無理な理由を具体的に上げると、
對海國、一大國を経てと書かれている。
「對」は「対」で、
「一大國」は他の文献では、「一支国」と書かれているので
誤りと思われる。
つまり、対馬、壱岐を経てと読める。
しかも、對海國へは一海渡り、一大國へも一海渡り、
一大國から一海渡って末盧國に至ると書かれている。
もし、邪馬台国が朝鮮半島なら、
どこで何回も海を渡るの。
これについてはレビューでも指摘されていた。
ある程度知識があればこの点は思う。
邪馬台国が日本列島である何よりの証拠だ。
仮に、邪馬台国が朝鮮半島から九州までとする。
しかし、對海國、一大國を経てから
何十カ国か上げていて、
その前の(帯方)郡から狗邪韓國は、
一飛びで国を上げていない。
つまり、邪馬台国は對海國、一大國を経てから
ということがわかる。
「山島」と書いてある。
朝鮮半島は、山の島ではない。
倭水人好沉没捕魚蛤
倭人は、水に潜って魚やハマグリを捕ることを好む。
水中に潜るからには、暖かい地域であることが想像できる。
朝鮮半島の北部で、水中に潜るには寒くないだろうか。
時代も違えば、文化的なことも知らないが、
緯度だけで見れば、東北と同じぐらいになる。
女王國東 渡海千餘里 復有國皆倭種
女王国の東へ、海を渡ること千余里、国が有り、皆、倭種なり。
これを朝鮮半島から見ての日本列島とするには、
無理があると思う。
他に魏志倭人伝以外でも疑問点はある。
山形 明郷氏「卑弥呼の正体」の疑問点へ続く
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